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沿革

ベクターの歴史

1988年4月1日、Vector Software GmbHという会社が、エバハート・ヒンドラー、マーティン・リッチェル、ヘルムート・シェリングの3人によって創立されました。この小さなエンジニアリング会社から、今も成長を続ける国際的な企業グループが生まれました。創立当初から、革新力、公平、誠実、忠誠というベクターの価値観は、お客様に対してだけでなく従業員の間でも徹底されています。このような伝統が先見性と結びついて、昔も今も、ベクターが成長し続ける原動力となっています。

Timing-Architects Embedded Systems GmbH(ドイツ・レーゲンスブルク)と提携
若い起業家たちを支援していくことを目的としてVector Venture Capital GmbHを設立
ドイツ・シュツットガルトにベクター本社の新社屋となる5番目のビルが完成
 
運転支援分野でBASELABS社と協力
 
ベクターの3名の創設者が取締役を退任
Vector Italy (イタリア・ミラノ)、Vector South America (ブラジル・サンパウロ) 設立
 
Vector Informatik GmbH設立25周年、Vector Austria (オーストリア・ウィーン) 設立
 
ハンブルク (ドイツ) に航空関連顧客のためのカスタマーセンター設立
 
ベクター財団・ベクターファミリー財団設立、ベクターグループ全体の社員数が1,000名を超える
 
aquintosがベクターグループの一員になる
 
Vector Great Britain (イギリス・バーミンガム)、Vector India (インド・プネー) 、Vector China (中国・上海) 設立
 
Vector Informatik GmbH設立20周年、ベクターグループ全体の社員数が800名を超える
 
ベクターグループ全体の社員数が700名を超える、Vector Korea (韓国・ソウル) 設立
 
マイクロン社の4mソフトウェア部門を買収、ベクターグループ全体の社員数が600名を超える
 
ベクター・ジャパンがISO9001:2000認証取得、ベクターグループ全体の社員数が500名を超える
 
Second Vector building finished (Stuttgart, Motorstraße)
Foundation of the customer care centers in Braunschweig and Munich
 
ベクターグループの売上高が6,000万ユーロに達する、ベクターグループ全体の社員数が400名を超える
 
Vector France (フランス・パリ) 設立、VecScan (スウェーデン・ヨーテボリ) 設立
 
ベクター・ジャパン株式会社 名古屋支社設立、Vector Consulting GmbH (ドイツ・シュツットガルト) 設立、トーマス・ベックがベクターの経営陣に加わる
 
ベクターグループの売上高が3,000万ユーロに達する
 
ベクターグループ全体の社員数が100名を超える
 
ベクター・ジャパン株式会社 (東京) 設立
 
Vector CANtech (アメリカ・デトロイト) 設立、最初のボディー制御CANを搭載した車両がベクターの開発支援により完成
 
CANoe (シミュレーションツール) およびCANape (測定適合ツール) 発売開始
 
The 25th employee joins Vector
 
CANalyzer (CANプロトコルアナライザー) 発売開始、Vector Informatik GmbHに社名を変更、売上高が100万ユーロに達する、CANを搭載した初めての量産車完成 (メルセデスベンスSクラス)
 
Vector Software GmbH (ドイツ・シュツットガルト) 設立

Bosch社が開発したCANプロトコルに対応する世界初のCANコントローラー、AN82526が、Intel社より発売されました。CANベースのネットワーク開発がここから始まることになります。

4月1日、マーティン・リッチェル、ヘルムート・シェリング、エバハート・ヒンドラーが自動車の町、シュツットガルト郊外のDitzingenに「Vector Software GmbH」という会社を設立しました。当初の事業目標はNC工作機械向けのソフトウェアソリューションの開発で、社名はそのようなソフトウェアで用いられる、複雑なベクター演算に由来しています。10月には初めての社員が入社しました。彼は現在もベクターに在職しています。

CANは自動車での使用を想定して開発されたものですが、CANネットワークを初めて製品に応用したのは織物業界です。その第1号はCANバスを搭載した織機、「AT Electronic」でした。

 

3人目の社員の採用に伴い、オフィスの拡張が必要になりました。

Philips社が新たなCANコントローラー、PCA82C200を発売しました。これはCPU負荷は高いものの、非常に柔軟に使用できる製品でした。Daimler-Benz社からはエンジン/パワートレイン管理にCANネットワークを用いた世界初の量産車、500Eが登場しました。1990年12月には同社のSクラスの車両に対し、パワートレインにはCAN-Cが、空調制御コンポーネントにはCAN-Bがそれぞれ導入されました。

会社の成長に伴い、より広い社屋への移転が必要になりました。ベクターはDitzingen駅に隣接するマットレス工場に移転しました。

DOSベースのGUI (グラフィカルユーザーインターフェイス) システム、GBSを製品化しました。ヘルムート・シェリング率いるチームはこれをベースに、Bosch社に納入するVS100キャリブレーションソフトウェアの主要部分を開発しました。

Bosch社によってCAN仕様の策定が進められ、そのバージョン2.0が公開されました。

 

1991年10月30日、ベクターの創業者たちがDaimler社内の「バス作業グループ」にCANalyzerのコンセプトを紹介しました。これはCANバス上を流れる通信を観察できるソフトウェアを作り、それを拡張するというものです。この基本構想には、エラー生成機能の搭載もすでに含まれていました。

CANalyzerの最初のバージョンが完成しました。これはベクターのGUIシステムであるGBSを備えた、DOSベースの製品でした。CANalyzerの最初の30本はHaushahn、Daimler-Benz、Siemens、Boschの各社に販売されました。バスアクセスにはDaimler-Benz社のDBB-196 CANインターフェイスハードウェアか、Softing社のCAN-ACが用いられました。

1992年3月5日、6つの企業と2人の個人が「CAN in Automation (CiA)」を設立しました。これはCANシリアルバスシステムのユーザーとメーカーからなる国際的な団体で、ベクターは設立直後にこれに加わりました。CiAはCANopen®仕様の前身となるCALプロトコルを公開しました。

「Vector Software GmbH」から「Vector Informatik GmbH」へと社名が変更され、ロゴが一新されてカラーも以前のオレンジから赤に変わりました。社内ではECUのベーシックソフトウェアを開発する初めてのプロジェクトが始動しました。4回目の事業年度を迎え、売上は100万ユーロを超えました。

見本市でCANalyzerを紹介するヘルムート・シェリングとマーティン・リッチェル

ISO/OSI参照モデルにおけるCANバスのレイヤー1 (物理レイヤー) とレイヤー2 (データ保護レイヤー) が、ISO 11898で国際的に標準化および定義されました。

スイスのThau Computer社と、Softing社およびその海外販売網を通じて、国外でのCANalyzerのマーケティングが開始されました。

この年、DOS版のCANalyzerは3つのリリースを重ねました。2月にリリースされたCANalyzerバージョン1.20ではコンフィギュレーションが保存可能となり、トレースWindowの可読性が向上しました。3月リリースのCANalyzerバージョン1.30では、Philips社の82C200を使用することにより、事前設定したメッセージだけでなく、すべてのCANメッセージを受信できるようになりました。7月にはCANalyzerバージョン2.00が登場し、29ビットID (拡張CAN 82527) が初めてサポートされました。

CiAがMainz (ドイツ) で第1回の国際CAN会議 (iCC) を開催しました。同年、Allen-Bradley社がDeviceNetプロトコルを導入し、主にアジアと米国ではこれとCANopenプロトコルとが競合する形となりました。

CANの国際的な重要性が高まりました。ベクターはフランスではNSI社を代理店とし、イギリスではAccuTest社を通じて、それぞれ事業を展開しました。

製品開発が加速しました。CANalyzerではすでにシンボル表示の処理が可能となり、CALおよびDeviceNetに対応できるようになりました。Daimler社が自社ECUの初めてのベーシックソフトウェアをベクターから購入しました。1994年12月にはある新製品が登場しました。すなわち、Windows 3.11で動作するCANoeの最初のバージョンのリリースです。CANoeはCAN Open Environmentの略で、製品のアイコンにはつづりが同じであることからカヌーの絵が採用されました。

CiAがCANopenプロトコルを公開しました。これは産業オートメーションに使用されましたが、後にはコーヒーメーカーをはじめとする組込アプリケーションに使用されるようになりました。

DitzingenからシュツットガルトのWeilimdorf地区に移転しました。オフィスの広さは倍になり、1,300平方メートルを超えました。開発者を対象に、CANのツールと基礎に関する研修コースを開講しました。米国ではDG社、日本ではNPS社を通じて製品の販売が行われるようになりました。

ベクターの組込ソフトウェアはツールによる設定が可能です。ベクターは初めてのCAN用PCMCIAインターフェイス、CANcardを発売しました。これによってテストエンジニアはノートPCを理想的なツールとして使用できるようになりました。それは現在も変わりません。

米国では診断プロトコルであるOBD-IIの使用が早くも義務づけられました。CANはOBD-IIの診断データを送信可能な5つのプロトコルの1つとなりました。

ベクターがWebサイトを開設しました。10月にオープンした初めてのWebサイトには、製品、サポート、連絡先などの情報が掲載されました。ベクターの資本金が100万ドイツマルクに増資されました。

ベクターがECUキャリブレーション市場に参入しました。CANapeでは、運転中にCCP経由でECU内部データを手軽に測定し、ECUのパラメーターを簡単にキャリブレーションすることが可能になりました。また、ProCANopenを使用することによりCANopenネットワークのプロジェクト管理が可能になったほか、CANalyzer.CANopenによって解析作業が省力化しました。

メルセデスベンツEクラスモデル: W210 (画像出典: Daimler AG)

DaimlerChrysler社がEクラスモデルのボディーバスに初めてCANを採用し、CANoeはその開発に用いられました。これは自動車におけるCANのブレークスルーを示す、画期的な出来事の1つです。また、マルチメディアのバスシステムの開発に向けた最初の取り組みが、まさに始まろうとしていました。

最初の国外子会社となるVector CANtech Inc.を「Motown」、すなわちデトロイトにほど近いNoviに設立しました。ドイツではベクターの社員はすでに50名に達していました。

CANscopeにより、CANラインのアナログシグナルのレベルを記録し、特定のバスエラーをトリガーできるようになりました。ベクターのECUソフトウェアの使用が拡大し、GM、Volkswagen、BMWの各社でも使われるようになりました。Bosch社の協力により、ECUキャリブレーションのための初めての本格的なバリアント管理ツール、「Villa」の開発に着手しました。これが後に、eASEE.cdmやvCDMなどの重要なアプリケーションにつながります。

LINコンソーシアムとMOSTコオペレーションが活動を開始しました。LINのアピールポイントは、CANと同じく無料で使用できる標準規格という点でしたが、MOSTにはライセンスが必要でした。

ベクター・ジャパン (東京) の設立に伴い、代理店であるNPS社とのジョイントベンチャーが終了しました。なお、NPS社は電子製品やソフトウェアに加えて、ワインの販売も行っていました。10回目の事業年度を迎え、ベクターの売上は1,000万ユーロの大台に乗りました。オフィスのスペースが1,900平方メートルに拡張されました。

初めての内製PCMCIAカード、CANcardXが登場しました。これは2チャンネルのCANインターフェイスで、これによってバストランシーバーを手軽に切り替えることができました。フラッシュブートローダーが初めて提供され、ECUのリプログラミングが可能になりました。Bosch社の協力により、「Nestor」というコードネームの下、階層型のソフトウェア構成を管理するシステムの開発がスタートしました。

LINバスが実用レベルに到達し、車両のシートやドアに使用されるようになりました。時間トリガー方式のプロトコルに関する議論が交わされるようになりました。これが後にFlexRayの開発につながります。

100人目の社員が入社しました。再びオフィスが手狭になったため、近隣のビルに部屋を借りてスペースを確保しました。MOSTコオペレーションのメンバーに加わりました。

CANoeバージョン2.5ではサポートされるCANチャンネルが従来の2チャンネルから増加し、2つ以上のインターフェイスでPCに接続されたCANチャンネルに対応できるようになりました。Opel社が自社の組込ソフトウェア (IVLAN) としてベクターを選択しました。

FlexRayコンソーシアムが、高いデータレートと安全を最重視したアプリケーション (X-by-wire) の実現を可能にする、決定論的なバスシステムの定義作業に着手しました。LIN仕様バージョン1.2がリリースされました。

ベクターはLINコンソーシアムではアソシエートメンバーとして、FlexRayコンソーシアムでは開発パートナーとして活動することになりました。この後数年に渡って、ベクターは新しいバスシステム開発のための共同作業に多くの労力を投入しました。

CANoeとCANalyzerがマルチバスに対応し、CANのほかにLINとMOSTもサポートするようになりました。LINは関連するベクターインターフェイスで当初からサポートされました。初めてのMOSTインターフェイスはOASIS社製のハードウェアでした。組込ソフトウェア領域では、LINのほか、大型車両用のCANベースのプロトコルであるJ1939の最初の実装がリリースされました。CANdelaStudioバージョン1は、自動車分野における将来を見据えた診断開発の道を拓きました。

DaimlerChrysler社がLIN 1.2対応のLINバスをメルセデスSLのドアのネットワークに初めて採用しました。BMWグループがBMW 7シリーズでMOSTバスシステムを量産投入しました。

トーマス・ベック (元ETAS社ディレクター) を4人目のマネージングディレクターに迎えました。社屋をWeilimdorf、Ingersheimer Strasseの自社ビルに移転しました。フロアのスペースが3倍の7,500平方メートルに増加しました。Vector Consultingがコンサルティング事業を開始しました。これ以降、同社はお客様の技術的なビジネスプロセスの構成に対する支援を行っています。ベクターの資本金が100万ユーロに増資されました。

CANoeバージョン3.2はFlexRayのサポートも含めて、マルチバス機能をフル装備しました。バスサポートはオプションに包括されました。NestorがeASEEとして発表されました。eASEEは複雑かつ分散した開発プロセスをサポートする、高機能のエンジニアリングバックボーンです。最後まで残っていたドイツの自動車メーカーのPorsche、そしてFiatおよびFordの各社が、組込ソフトウェアの新たなお客様となりました。

LINコンソーシアムがLIN 1.3仕様を公開しました。Audi、トヨタ、Volkswagen、Volvo Carsの各社がLINバスを量産に導入しました。ベクターは測定データ形式であるMDFの開発を進め、MDFバージョン3.0を発表しました。

「現地に密着した活動を全世界で」のモットーに従って、スウェーデンとフランスに子会社を設立し、両地域の自動車業界のサポートを強化しました。自動車ネットワークの成長における現在および将来の課題をテーマに、第1回ベクターコングレスをシュツットガルトで開催しました。

ベクターのECUベーシックソフトウェアがGMおよびHyundaiの両社にも採用されました。最新の開発成果としては、KWP2000用のフラッシュブートローダーやマルチプロセッサーECUのサポートなどが挙げられます。

ヨーロッパの大手自動車メーカーとサプライヤーが、「Cooperate on standards, compete on implementation. (標準化においては協力、実装/利用にて競争)」をスローガンに、AUTOSARコンソーシアムを設立しました。その目標はECUに搭載するインフラストラクチャーソフトウェアを標準化することで品質を高め、再利用を可能することに置かれています。LINコンソーシアムが仕様2.0をリリースしました。

ベクターはASAM e.V.のメンバーとして、XCPプロトコル (Universal Measurement and Calibration Protocol) の開発/定義で重要な役割を果たしました。ベクターの2番目の社屋がMotorstrasseに落成しました。これによって新たに7,500平方メートルが追加され、拡大する開発チームを収容するスペースが確保されました。年末にはベクターの社員は全世界で350人に達しました。

CANとLINに対応した新世代のバスインターフェイスカード、CANcardXLが登場しました。CANcaseXLはCANとLINをサポートする初めてのUSBインターフェイスです。DaVinciツールスイートによってシグナルやメッセージを指向した分散システムの設計が可能になり、AUTOSARのコンセプトの一部を先行して採用できるようになりました。組込ソフトウェアが拡張され、FlexRayがサポートされるようになりました。

日本の自動車メーカーにより、AUTOSARを補完する団体としてJasParが設立されました。JasParはJapan Automotive Software Platform and Architectureの略です。

ベクターはAUTOSARコンソーシアムよりプレミアムメンバーとして迎えられました。顧客サポートの充実を図るため、Braunschweigとミュンヘンに新たな子会社を設立しました。

CANoeがバージョン5.0を迎え、ネットワーク開発のための総合的なツールに進化しました。テスト機能セットおよび診断機能セットによって、応用範囲が拡大しました。MOST25用インターフェイスのVN2600により、MOSTバスへの高信頼性、高パフォーマンスのアクセスが提供されました。

AUTOSAR仕様1.0がリリースされ、車両組込ソフトウェアにとっての重要な節目となりました。

会社規模は引き続いて拡大し、社員数は全世界で500名を超えました。ドイツ国内では、雇用主を対象とした「Great Place to Work®」の調査で極めて高い評価を獲得し、以後も好成績が続きました。

ECUソフトウェア開発でSPICEレベル3を達成し、組込ソフトウェアに対するベクターの力量が裏づけられました。キャリブレーションデータ管理ツールのeASEE.cdmにより、バリアントが多数存在する、幅広いキャリブレーションデータの管理が可能になりました。

LIN 2.1とAUTOSAR 2.0および2.1の各仕様がリリースされました。AUTOSAR 2.1に対応した初めての量産用ECUが登場しました。

ベクターがAUTOSARに関するコングレスを開催し、大いに好評を博しました。これにはJasParの代表も参加しました。Micron Electronic Devices社からの部門買収により、4番目となるドイツ事業所がRegensburgに誕生しました。

FlexRay用妨害発生ツール (FRstress)、測定およびキャリブレーションハードウェア (VX1100、当初はプロトタイプ)、MOST用 (VN2610) およびFlexRay用 (VN3300/3600) の新しいインターフェイスなどが追加され、ハードウェアのラインナップが拡大しました。ネットワーク設計ツールのDaVinci Network DesignerがCAN、LIN、FlexRay用に導入されました。AUTOSARおよびFlexRayに対応するECUを開発するための評価バンドルが、初めてお客様に提供されました。

業界内の会議や専門家向けのイベントでは、周辺環境の認識と画像処理に関するコンセプトや技術に関する議論が交わされるようになりました。EthernetとIPが選択肢として検討されるようになりました。同年、ベクターが出資した自律型無人車両が、米国で開催されたDARPA Urban Challengeで優勝しました。

新しい標準規格の定義と導入に対するベクターの貢献に対し、AUTOSARコンソーシアムからプレミアムメンバーアワードが授与されました。5番目となる国外事業所が韓国のソウルに開設されました。第1回ベクターFlexRayシンポジウムは大盛況でした。ベクターの社員が750名に達しました。

ECUとネットワークテストには引き続き高い関心が寄せられ、テストオートメーションエディター (TAE)、そしてCANlogおよびMultilogがこれを支援しました。手軽に使える診断テスターとして、Indigoが新たに製品化されました。

診断データの交換を標準化する記述言語として、ODXがリリースされました。ベクターは2001年より、ASAM作業部会でODXの定義に協力しています。AUTOSARがバージョン3.1をリリースしました。

会社設立20周年にあたり、4階建、フロア面積は以前とほぼ同等の約7,500平方メートルとなる3番目の社屋が落成し、これら3つの社屋すべてが歩道橋で結ばれました。

CANoe/CANalyzer用のオプションIPにより、Ethernetベース通信の開発がサポートされるようになりました。完全なモジュール式で適合性に優れたテストシステム、VTシステムが導入され、開発の早い段階でHiLと同様の機能がすでに利用できるようになりました。新たなロガー (GL1000) の導入により、ロギングソリューションが拡張されました。AUTOSARが量産製品に採用されるようになりました。ベクターはBMW、Daimler、Volvo ABをはじめとする自動車メーカー各社の乗用車および商用車向けに、AUTOSAR 3に基づく量産開発用のソフトウェアを提供しました。

測定ファイルのフォーマット、ASAM MDF4がASAMによりリリースされました。これはベクター (Rainer Zaiser) が1991年に開発した、MDF形式をベースとするフォーマットです。AUTOSARコンソーシアムがAUTOSARバージョン4.0をリリースしました。自動車業界は世界的な経済危機の影響を本格的に受け始めました。

世界的な不況、特に自動車業界の景気が低迷する中、ベクターは当初の計画通り、Vector Great Britain (イギリス・バーミンガム)、Vector India (インド・プネー)、Vector China (中国・上海) の3つの子会社を新たに開設しました。無料のベクターEラーニングプラットフォームがWebに公開されました。収益は下がりましたが、社員数は非常に安定して推移しました。

ベクターはAUTOSAR 3.0の量産レベルのソフトウェアをBMWとFAWの両社に提供したほか、初めてのMOST用AUTOSARベーシックソフトウェアも発売しました。CANoe.LIN 7.2と新しいCANcardXLeインターフェイスを用いたコンフォーマンステストで、LIN 2.1がフルサポートされるようになりました。ベクター・アカデミーでは、不況で失職したエンジニアの皆様を対象に、受講料金の大幅割引が行われました。

ベクターは製品とサービスを通じて、電気自動車とその充電技術の開発を支援しました。カールスルーエに本社を置くaquintos社をベクターグループの傘下に収めました。

景気の状況を踏まえ、自動車メーカーやサプライヤーは量産に直結する目下のプロジェクトに注力しました。標準化のための活動も停滞しました。そのような中でLIN仕様2.2がリリースされました。CANプロトコルが航空宇宙分野のネットワークで注目を浴びるようになりました。入手のしやすさ、成熟した技術、魅力的な価格性能比が大きなアドバンテージとなりました。

VN8900製品には8チャンネルのFlexRay/CAN/LIN/J1708ネットワークインターフェイスが装備され、そのリアルタイムコンピューター上ではCANoeがスタンドアローンで動作するようになりました。CANoeおよびCANalyzerが航空宇宙分野のプロトコルであるARINC 810、812、825、826をサポートするようになりました。ベクターのAUTOSAR実装であるMICROSARがIPをサポートするようになりました。これは特に電気自動車のインテリジェント充電への応用を狙ったものです。

自動車の電気/電子システムの安全関連規格であるISO 26262が公開されました。AUTOSARコンソーシアムは2009年のバージョン4.0の後、AUTOSARバージョン3.2をリリースしました。

ベクターの経営陣が会社の所有権を非営利財団である「ベクター財団」と「ベクターファミリー財団」に譲渡しました。この手続きにより、ベクターの長期的な独立性が守られます。1,000人目の社員がベクターに入社しました。

CANoe用のオプションCar2xにより、車車間、そして路車間の無線通信の開発に対応できるようになりました。aquintos社の設計ツールであるPREEvisionに多数の機能が追加され、アーキテクチャーの設計から量産開発までをサポートする、モデルベースの電気/電子システム開発ツールとして発売されました。ODX診断データがODXStudioで処理できるようになりました。

トーマス・リーグラフがベクターの経営陣に加わりました。航空宇宙分野のお客様に特化して対応する子会社をハンブルグに設立しました。ベクターがAFDX® (Avionics Full-Duplex Switched Ethernet)* のライセンスを取得しました。2010年に締結したaquintos社との戦略的パートナーシップにより、新しい開発拠点が開設されました。ベクターグループ内の販売収益が2億ユーロに達しました。
*AFDX®は、エアバス社の登録商標です。

車両へのEthernet導入に道筋を付ける新たな革新技術、BroadR-Reach®が登場しました。Bosch社がCANバスのパフォーマンスを数倍に向上できるプロトコル、CAN FDを公開しました。期を同じくして、特にアジアでは車両診断用のK-Lineが復活の兆しを見せていました。

世界で最も長く、最も広く使われているバス解析ツールのCANalyzerが20周年を迎えました。バージョン8.0には、その上位製品にあたるCANoeとともに、AFDX®オプションが提供されました。ベクターの初めての汎用ECU、VC121が発売されました。これはEthernet/BroadR-Reach、CAN、FlexRay、LIN用に121本のコネクターピンを持つのに加え、AUTOSARを内蔵するため、プロトタイプの作成や短期間での量産に最適です。組込ソフトウェアの進歩は続き、初めてAUTOSAR 4.0対応のベーシックソフトウェアが登場しました。安全関連ECUにAUTOSARベーシックソフトウェアであるMICROSAR Safeが初めて使用されました。新しいインターフェイスのVN16xxシリーズは、CAN、LIN、K-Line、J1708、IOとUSB経由で通信が可能です。VN5610はEthernetおよびCANとの通信が可能です。ロガー製品にはGL1000からGL4000までのラインナップが取りそろえられ、診断機能もサポートされるようになりました。

AUTOSAR開発パートナーシップが10年目を迎えました。この標準規格は100を超える量産プロジェクトに採用され、その潜在能力の高さはすでに実証されています。最新の予測によれば、AUTOSARベースのECUの生産台数は、2016年には3億個に迫ると見込まれています。

新しいテストソリューションツールであるvTESTcenterとvTESTstudioが発売され、ベクターのテスト製品のラインナップが拡大しました。ベクターのAUTOSARソリューションであるMICROSAR OSが、TuV社からISO 26262の認定を受けました。

ベクターが会社設立25周年を迎えました。ウィーンにVector Austriaが設立されました。4番目の社屋がシュツットガルトに完成し、生産および物流エリアの拡大、そしてサポートに対応するためのスペースが確保されました。また、新しい技術や市場を早い段階で評価することを目的として、ベクター自身の先行開発および基礎開発のためのエリアが設置されました。

業界内ではe-モビリティー、機能安全、Car2xに加え、新たに自動運転が大きな話題となりました。この分野の技術的な製品を開発する基盤となるのは、車載EthernetやCAN FDなどのネットワーク技術です。2014年には、ベクターは早くもAUTOSARバージョン4.2をサポートしました。

イタリアとブラジルに新しい子会社が設立されました。5番目の社屋の建設がシュツットガルトのベクター本社で開始されました。3月には創業者であるエバハート・ヒンドラー、マーティン・リッチェル、ヘルムート・シェリングの3名が経営から引退しました。現在彼らはベクター財団での活動を主とし、科学的および社会的プロジェクトを支援しています。11月に開催された第7回ベクターコングレスには、自動車分野のE/Eシステム開発のトレンドや技術に関する情報を得るべく、300名を超える人々が集まりました。

 

ベクターはBASELABS社とのパートナーシップを通じて、先進運転支援システム (ADAS) 分野への対応を強化しました。近い将来、vADASdeveloperという形で独自の製品が公開される予定です。MICROSARがAUTOSARの標準規格だけでなく、J1939やEthernetをはじめとする数多くの拡張を提供するようになりました。リモート診断ソリューションのIndigo Remoteにより、世界のどこにある車両にも直接、インタラクティブにアクセスできるようになりました。あらゆるタイプの測定データを評価できる便利なツール、vSignalyzerも開発されました。

企業の「働きがい」を評価する「Great Place to Work」ランキングにおいて、ベクターは従業員1,000名以上のカテゴリーで、ドイツのIT企業として最高位の第1位を獲得しました。初めて開催されたVector Technology Daysでは、300名を超える来場者が未来志向のテクノロジーを実際に体験しました。ベクターはこのイベントで開発ラボを開放し、最先端の製品開発を紹介しました。2015年12月1日より、ベクターのグローバルなブランドイメージを支える新しいロゴとコーポレートデザインの運用が開始されました。ドイツのフィルダーシュタットに本社を置くCSM Computer-Systeme-Messtechnik社とは、長期的に安定した開発および販売を目的とする協力関係を結びました。

 

vADASdeveloperをリリースしたことで、ベクターは運転支援システム開発ソリューションをトータルに提供するようになりました。これは2015年1月1日付でBASELABS社より取得された、マルチセンサーアプリケーションを開発するためのツールです。これにより、運転支援システムや自動運転に関わるECUの開発者は、データフュージョンと環境認識のための包括的なソリューションを利用できるようになります。ベクターは車載Ethernetネットワーク分野においても、プロフェッショナルなツール、ベーシックソフトウェア、サービスを通じて、自動車メーカーとサプライヤーの開発部門の皆様を支援します。新しいハードウェアのVN8810では、WLANインターフェイスを介したインテリジェントな車両診断とフラッシュが可能です。

2015年の最大のテーマは、車載Ethernet、自動運転、サイバーセキュリティーでした。

ドイツのシュツットガルトでは、ベクター本社の5番目の社屋となるビルが完成し、新たに社員650名分のワークステーションが増設されました。現在、ベクターの社員数は1,700名を超え、世界中で車載ネットワーク開発を支えています。2016年、ベクターはTiming-Architects Embedded Systems GmbH(本社: ドイツ・レーゲンスブルク)と提携し、リアルタイムマルチコアシステムを開発するためのトータルなツールチェーンを提供できるようになりました。また、2017年には若き起業家たちを支援していくことを目的としてVector Venture Capital GmbHの設立を発表し、同年9月より、主にIT分野とエンジニアリング分野における起業家への支援を開始する予定です。


測定およびキャリブレーション分野のエンジニアをサポートするクラウドサービスの提供を開始しました。
ASIL D認証を取得したベクターのソフトウェアコンポーネントにより、セーフティークリティカルなECUアプリケーションの開発が可能になりました。アーキテクチャー設計から量産までをカバーするモデルベースE/E開発ツール「PREEvision」の最新バージョン8.0をリリースし、PREEvisionがサービス指向アーキテクチャーの概念に対応しました。

車載ネットワークの開発は、かつてないスピードで進歩しています。今や世界中の自動車メーカーが車載Ethernetを車両コンセプトの一部として採用しており、高度な運転支援技術や自動運転のためのコンセプトとシステムの開発も加速しています。2016年は「Adaptive AUTOSAR」と「サービス指向アーキテクチャー」という2つのキーワードが、今後のエレクトロニクスのコンセプトとして広く議論された最初の年となりました。